いつも弊社スタッフブログをご覧いただきありがとうございます。
前回ご紹介した調達課の業務内容はご覧いただけましたか?
今回は調達課で手配された部品をもとに、実際の製作を担う「鵜沼工場製造課」についてご紹介いたします。
■ 部署概要
鵜沼工場製造課は、生産の主拠点として制御盤の中でも「個別生産品」を中心に取り扱っています。
製作される制御盤は、以下のような多岐にわたる機械の制御に使用されています。
・ 電気焼成炉
・ 切断機(金属・アルミ・木材)
・ プレス機
・ 搬送機
・ 養鶏場設備
・ 工作機械
・ 自動車・航空機関連の工場設備
・ 風力発電設備 など多数
1台ごとに仕様が大きく異なるため、個別のニーズに柔軟に対応できる技術力と経験が求められる部署です。
■ 製作のポイント
鵜沼工場製造課での制御盤製作は、大きく分けて以下の3工程で構成されています。
● 機器配置作業
外形図や配置図に基づき、制御盤の板金へ部品取付用の穴あけなどの追加工を施し、機器を正確に配置していきます。
後工程である配線作業を見越し、電線の通り道(配線ルート)や電線の太さを考慮した上で、設計者へ機器配置の変更
を提案することもあります。
● 配線作業
回路図や配線図をもとに、各機器を適切に接続していきます。
この作業は制御盤の品質・信頼性に直結する非常に重要な工程です。
配線ルートや使用する電線は図面上に明確な指定がないことも多いため、お客様からの製作仕様書や一般的な製作ルー
ルを踏まえ、自ら判断・選定する必要があります。
単に部品同士を最短距離でつなげばよいというものではなく、以下のような点に留意して作業を行っています。
・客先仕様に則り、流れる電流や線の役割に応じた適切な線種・線色を選定する
→許容電流が不足した線を使うと発熱・発火の恐れがあり、逆に許容電流が大きく太い線の乱用は盤内スペースの
圧迫や重量増につながる
・各部品の接続端子の役割を理解し、正しい位置に正しい形で接続する
→切っただけの電線は基本的に部品とは接続できないため、電線の末端には部品の仕様に応じた処理(はんだ付
け、圧着端子、コネクタの取付)を施す必要がある
・ 電線同士が電磁波で互いに干渉することを防ぐため、電線の種類や役割に応じて適切な距離を保って配線する
・ 線に無理な張力がからないよう、十分な余⾧をもって配線する
・ 将来的な改造や修正も考慮し、整理された美しい配線を心がける
・ 配線のミスや抜けを防ぐため、回路図上の回路ごとにチェック(消込)を行いながら進める
● 検査
完成した制御盤については、客先からの検査基準書または社内で定められたチェックリストに基づき検査を実施しま
す。
製作担当者自身による目視および通電しての動作確認に加え、作業者とは別の検査担当者が最終確認を行う二段階の検
査体制により、不適合のない制御盤のみが出荷される仕組みとなっています。
これら一連の工程を通じて、設計者の意図を正確に形にしていくことが、私たちの使命であり誇りです。
■参考写真
最後に調達課の紹介時に掲載されていた部品を実際に取り付けた際の姿などお見せしたいと思います。

(写真1) :電線と末端の処理

(写真2) :漏電ブレーカー 漏電による感電や火災を防ぎます
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(写真3) :スイッチとランプ(制御盤外側)
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(写真4) :スイッチとランプ(制御盤内側) スイッチの入力が切り替わったことを伝えるための信号線やランプを点灯させるための電線が張り巡らされています

(写真5) :リレー スイッチ等からの信号を受け取り制御盤内の電気回路の切り替えを行います
以上、ほんの一部分ではありますが鵜沼工場製造課のご紹介でした。
今後も「正確で丁寧なものづくり」を大切にし、お客様からの信頼に応える制御盤を提供してまいります。